23日の東京五輪開幕を前に、成田空港では世界各国の選手団の到着が本格化している。一般客との動線を分け、新型コロナ感染拡大防止を図るための選手関係者向けの「専用レーン」も1日から稼働した。しかし、選手団と一般客を遮断する「バブル」には「穴」も見られた。
内閣官房によると、成田空港には1~2日で、カナダ、アメリカなど7カ国やグアム、ミクロネシア連邦の約130人の選手・関係者が入国を予定。
選手団は次々に到着し、リエゾンと呼ばれる案内役らによって専用レーンへ誘導され、検疫や入国などを済ませた。その後、事前合宿などで選手団を受け入れる自治体などが手配したバスに乗った。一般客に対しても、航空機を降りた後、専用レーンに入り込まないよう案内や誘導がされた。
しかし、専用レーンが稼働した初日の1日は混乱も見られた。選手団用の検疫受付近くに到着した一般客らが、選手団用のトイレを使おうとして止められたり、使ってしまって注意されたりした。
少人数のある選手団は、専用レーンとは別の、一般客側の順路で到着ロビーに現れ、出迎え側が選手団かどうかわからず戸惑った。
1日の成田空港では最多の約20人が入国したボクシング米国代表の一部は、到着ロビーで、歓迎の声を上げた少女を抱擁。別の3人は、待ち構えた報道陣のカメラに、突然マスクをとって肩を組み、笑顔でポーズをとってみせた。
入国は、深夜まで続き、九州など遠方へ向かう選手団の一部は、成田空港や羽田空港の周辺のホテルに1泊するなどして翌日、国内線で移動するという。
空港で選手団に対応した職員は、「今後もっと多くの選手団が訪れる。混乱や戸惑いはあったが、慣れれば、きちんと対応できるようになるはず」と話した。(上沢博之)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル